白目の魅力 高橋葉介と小松奈々
高橋葉介という作家。
1977年雑誌『漫画少年』に掲載された『江帆波博士の診療室』でデビュー。今年で漫画家39年のベテランであるが、メジャー誌での連載がないせいか漫画好き以外にはあまり知られていないが、藤田和日郎(代表作『うしおと虎』)や田島昭宇(代表作『多重人格探偵サイコ』)、平野耕太(代表作『ヘルシング』『ドリフターズ』)といった面々に敬愛される作家である。
代表作は何と言っても著者のライフワークともなっている『夢幻紳士』シリーズ。
謎の人物夢幻魔美也が、ポーや乱歩を思わせるような怪奇な世界で活躍する物語です。とはいえ、実はお話はさほど重要ではなくこの人の作品いおいて最も魅力的なのは画です。
ほとんどを筆でのみで描く妖しい画
有名な話でこの作家はほとんど筆のみで作画を済ませてしまうそうです。そのため黒と白がはっきりとして、輪郭は独特の丸みを帯び、非常に妖しい画となります。何枚か見てもらいましょう。
件の夢幻魔実也、完全に黒と同化したかれがとても妖しいく、かっこいい。
後述するが、この目が重要。魔美也は目で怪奇を見通し、時には催眠術を仕掛ける。
美人の残虐画も得意。このハイライトもシャドウもない女の裸はひとえに筆による線だけで表現されている。
普通に怖い画もかける
まだまだ、あげたいところだが、これくらいにしておいて本題にいきたい。
高橋葉介の白目
高橋葉介の画について言いたいことは「目」につきる。
すでにあげた魔美也の目や以下のような女性の目にも共通点がある。
それは黒目より白目の方が多い、三白眼だ!
見よ、この美しい三白眼。
乱れた髪と三白眼
黒目と白目
一般に黒目は大きいほど可愛さを強調することができる。黒目を大きく見せるコンタクトなんかはまさにそれだし、アイドル的な女優も黒目が大きい。小動物もこれにあてはまります。
石原さとみ 目の八割くらいが黒目
子犬は100%黒目
逆に白目の多い、いわゆる三白眼はこれとは逆に三白眼は妖しさや不気味な印象を持たれがちなので、テレビとかでは結構珍しいです。
小松菜奈
こんなゾクゾクする妖しい目の女はいないもんかと思ってました。
たまにいますが、真里アンヌとか。
でもちょっと前に出ましたね『渇き』という映画は、彼女を世に出したことだけがその価値とも言えますが、小松奈々です。
完璧だ。完璧な白目だ。前述の高橋葉介の「でてこい」の画と見比べてほしい。素晴らしい一致だ。『渇き』では「あの悪魔」と呼ばれていましたが、まさしく悪魔の目だ。こんな妖しい目つきの女の子が最近では、普通に少女漫画原作の映画で主演してるとか信じがたいです。みんな騙されてるんじゃないのか、あの目に。
『夢幻紳士』シリーズはいくつもバージョンがありますが、
読み始めは以下の4作をおすすめします。
夢幻紳士 (怪奇篇) (ハヤカワコミック文庫 (JA889))
- 作者: 高橋葉介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05
- メディア: 文庫
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