HONKY TONK 脳内

主に漫画についての評論 好きな漫画はジョジョ・萩尾望都・楳図かずおと答えるようにしてます。 映画についてはTwitterで https://twitter.com/hoorudenka

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

京都国際マンガミュージアムへGO!! 何このガッカリスポット!!

分かってた‥分かってたけど‥ 僕は行ってみたかった京都国際漫画ミュージアム。 中が漫画だらけなので、著作権上写真も撮らせてもらえないからちょっとしかない。 入り口。なぜか閉館前にしまるレストランと併設 内部の火の鳥モニュメント。廊下と近すぎて全…

感想『銀の三角』SFマガジンに連載された少女漫画の神による超難解SF ★★★★

『銀の三角』文庫1巻 萩尾望都 掲載誌SFマガジン 1980年〜1982年 少女漫画における手塚治虫 萩尾望都という作家 今も現役で書き続けている萩尾望都ですが、少女漫画の第一人者の一人としてこの方をあげることに異論のある人はいないでしょう。というよりい…

誰も話さない本当の『ONE PIECE』補足 画について。余白のなさ。

書ききれなかった話。画について。 前回までの話の中で書ききれなかった、画について書こうと思う。 漫画を語る上で画についてふれないことは、まさに片手落ちと言わざるをえないが、これを完璧にできたら僕はすでに評論家としてメシを食える。 とはいえ不完…

誰も話さない本当の『ONE PIECE』第5回『ONE PIECE』のこれから。

『ONE PIECE』のこれから。 では、『ONE PIECE』の話題に立ち返り、この作品のこれからについて述べたい。 すでに『ONE PIECE』は80巻を超えたが、その終わりはまだまだ見えていないといっていい。そしてこのように長く続いたせいだろうか、本作の最近の話は…

誰も話さない本当の『ONE PIECE』第4回「遺産」というテーマ。近年の大ヒット漫画。

「遺産」というテーマ。近年の大ヒット漫画。 ここまで『ONE PIECE』における「遺産」を考察し、さらにこのテーマが日本社会も共通して持つ重大なものであることもわかった。 そしてここで本作以外の作品を見ていきたい。興味深いことに近年の他の大ヒット漫…

誰も話さない本当の『ONE PIECE』第3回 歴史への着目 社会との共鳴

『ONE PIECE』のすごいところ。 前回までのお話で本作における「遺産」の重要性に気がついてもらえたかと思います。このようなしっかりとした構造を作り上げていること自体、並の作品ではないことがわかりますが、『ONE PIECE』のすごいところはこれに留まり…

誰も話さない本当の『ONE PIECE』第2回「縦のつながり」と大秘宝の正体

前回の考察で分かった「遺産」を受け継ぐというテーマをさらに掘り下げていきたい。そして後述するが、これによりひとつなぎの大秘宝ワンピースの正体も、確たる根拠を持って予想することができる。 「横のつながり」ではなく「縦のつながり」 「遺産」を受…

誰も話さない本当の『ONE PIECE』第1回 ONE PIECEは先人の「遺産」を受け継ぐ物語

はじめに 『ONE PIECE』という作品が漫画において重要であることを認めないわけにはいかない。 日本の全出版物の中でぶっちぎり一番をマークし続ける週刊少年ジャンプを長年支え、単行本が発売されると毎回ベストセラーを叩き出し、その経済効果は計り知れな…

感想『女帝』kindleセールだったから読んだ、今は感謝の気持ちしかない。★★★★

『女帝』全24巻 画 和気一作 原作 倉科遼 掲載誌漫画TIMES 掲載年1996年〜2001年 倉科遼という作家 ネオン漫画の元祖 倉科遼といえば、ネオン漫画の元祖、いわゆるホストとかホステスとかの漫画、66歳の大ベテランと知ったのはこれを読んでから。よく名前は…

感想『窮鼠はチーズの夢を見る』おそるべき男(ゲイ)VS 女の戦い。★★★★

『窮鼠はチーズの夢を見る』水城せとな 小学館 掲載誌『Judy』『NIGHTY Judy』 BLの傑作‥だと思う。 BL作品です。このジャンルはほとんど読まないのでどれが傑作だとかは実は知りませんが、それでも読んだ中ではダントツで面白かったです。 水城せとなはドラ…

白目の魅力 高橋葉介と小松奈々

高橋葉介という作家。 1977年雑誌『漫画少年』に掲載された『江帆波博士の診療室』でデビュー。今年で漫画家39年のベテランであるが、メジャー誌での連載がないせいか漫画好き以外にはあまり知られていないが、藤田和日郎(代表作『うしおと虎』)や田島昭宇…

感想『かっこいいスキヤキ』孤独のグルメの原点。俺はお前の食い方が気にいらねぇ!★★★★★

『かっこいいスキヤキ』泉昌之 扶桑社文庫 掲載表題作1983年 掲載誌おそらくガロ 泉昌之という人 個人ではなく作画泉晴紀、原作久住昌之の二人の連名。最近はこの二人での作品はないらしいが、久住昌之の名前はよく知られているだろう。 『孤独のグルメ』、…

紹介 小梅ちゃんの作者 林静一

林静一 小梅ちゃんの作者といってわからないなら、アジカンのジャケットで有名な中村佑介の元ネタといった方がいいだろうか。あの平面的で色白ながらも、目をひきつけてやまないイラスト。林静一という大ベテランはもっと知られてもいい作家だ。 今でこそイ…

評論『虫と歌』『25時のバカンス』きょうだいが他人だということ。★★★★★

『虫と歌』市川春子 講談社 掲載誌月刊アフタヌーン 出版2009年 『25時のバカンス』同前 出版2011年 市川春子という作家 千葉県出身 札幌在住 大学卒業後、デザイン会社に就職。月刊アフタヌーンでの数度の短編掲載だけで、不動の人気を築き上げた不思議な人…

感想『溺れるナイフ』十代の神話は残酷に終わる。★★★

『溺れるナイフ』ジョージ朝倉完結17巻 講談社 掲載誌別冊フレンド 掲載2004年〜2014年 ジョージ朝倉という作家 映画化作品から。 ジョージ朝倉という作家は本当にひと目でそれとわかるくらい、画にも物語にも個性がある。この人にしか書けないと思わせるも…

感想『高台家の人々』2巻から読め。サイドストーリーが面白い。星★★★★

『高台家の人々』森本梢子既刊5巻 マーガレットコミックス 掲載誌YOU 掲載開始2013年 どこで読んだかは忘れましたが、近代映画の父D・W・グリフィスは記者からの「なぜ 映画のヒロインは美人ばかりなのですか?」という問いにこう答えました。 「心の美しさ…