『GUN DRAGON Σ』後にも先にもこれだけ。実写&フルCGコミック!★★
『GUN DRAGON Σ』完結1巻 寺沢武一 掲載誌なし 1998年
『COBRA』でお馴染み寺沢武一の奇妙な試み
寺沢武一といえばなんと言ってもジャンプで掲載されていた『COBRA』の漫画家。
映画『ブレードランナー』など80年代らへんのサイバーパンクを意識した画風で、独特の世界観を構築、好きな人はすっごいはまってしまうという奇才。
極度のハイレグによるケツが彼の代名詞
そして本作『GUN DRAGON Σ』はなんと全編実写&フルCGで作られた漫画であるが、こんな作品は後にも先にもこれだけだろう。きっとこれを継承する人はおるまい。
最早あらすじなどはいらない。そんなことは関係ないくらいぶっ飛んだ漫画なのだから。
巻末の制作風景 コスプレ撮影会にも見える制作風景の簡素な雰囲気
上のような制作環境から果たしてどんなものが生まれるのか。
M字開脚だぁ!!インリンだああ!!!
ケツも夢の実写化!!
やっぱり、ちょっと無理があったか。思いっきり雑コラ。
寺沢武一独特の台詞回しも健在。こういうところはクール。
CGキャラクターとの会話。なぜか天才テレビくんを思い出す。
とはいえ、寺沢武一のセンスはやはり卓越しているので、当時の発展途上なCGでもこんな世界観が。これを動かしたらものすごく気持ち悪い、イイ感じの映像ができそう。
実は第二弾がある・・・。
この作品には直接の続編でありませんが、世界観が同一の第二弾があります。
その名も『GUN DRAGON Ⅱ』ですが、インリンもう出ません。ですが、実写人物も複数人になり、なんとお◯ぱいも出ます!!ちなみに、6年後に制作された作品ですが、技術にほとんど変わりはありません!
説明を拒むかのようなこのビジュアル。気を付けて!
合成は本当に難しい。
書いている僕は映像業界出身なんですけども、完全にバーチャルな空間と人物との合成は本当に難しい。光の状況やカメラの位置を入念に背景のCGとすり合わせないと本作のようにおかしなヴィジュアルになってしまいます。もう少し具体的にいうなら、もともと存在しない空間にどのように光が入るのか、時には写っていない建物の構造まで考えないとだめということです。
さらに辛辣な言い方をすると、最初の制作環境のようなものでは全くだめです。想定している空間に対して狭すぎるし、照明の数が少なすぎて自然な光の当たり方を再現できないでしょう。現実の空間は床や壁から反射する光など、実は様々な光が複雑に干渉しています。映像の現場ではそれを再現するために、周りの状況を細かく記録し、齟齬がないようにカメラや照明の設定を調整しています。
とはいえ、映画やCMでもそれだけやっても、多くの人が感じるようにやはり不自然なものができあがってしまう。それくらい合成というのは難しいものです。まぁハリウッドはTVドラマでも普通にやってしまいますが!
それでも読んでみる価値はきっとある。
すっごいバカにしてますけど、それでも絶対に読む価値のある作品。
なぜなら、こんな作品は他にないので!!